大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和35(オ)1058 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人河和金作、同富田数雄、同古長六郎、同平野利、同河和松雄、同柴義

和、同市橋千鶴子の上告理由第一点について。

原判決が適法に確定した事実関係のもとにおいては、本件予約完結権の行使が公

の秩序善良の風俗に反するものとは解し難い。論旨引用の各判例は、すべて、債権

者が債務者の窮迫に乗じ不当な代物弁済契約を締結した事案若しくはその疑の濃い

事案に関するものであつて、本件には適切でない。

同第二点について。

原判決が適法に確定した事実関係のもとにおいては、本件予約完結権の行使が信

義則に違反するものとは解し難い。そして、この点は原審において特に争われたわ

けではないから、原判決がこの点につき判示をしなくても判断遺脱の違法ありとい

うを得ない。�

同第三点について。

所論遅延利息は、現行利息制限法施行前である昭和二八年九月二五日約定の賠償

額予定に基く遅延損害金の一部にすぎないから原判決がこれを本件残元利金計算の

基礎としたところで、何ら所論のような権利乱用を是認した違法があるものではな

く、違憲の主張はその前提を欠く点において失当である。(引用の判例は本件に適

切でない。)

同第四点について。

原判決の引用する第一審判決理由によれば、原審は、被上告人らが上告人Aにお

いて所論物件を利用して金融を受けようとするのを妨げた事実はないと認定してい

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ること明白である。されば、原判決には所論のような判断遺脱の違法はない。(引

用の判例は本件に適切でない。)

同第五点について。

原判決が事件の核心にふれず、真相を把握した最善の裁判でないとの所論は、上

告人独自の見解であるのみならず、原判決に違法の点がないかぎり、上告審である

当審においてこれを破棄することはできないのであつて、論旨引用の判例もこれを

否定する趣旨ではない。論旨は、すべて、理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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